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ソニーの新型ワイヤレスヘッドホン・イヤホンをプロが試してみた(1)

まもなく発表される新型iPhone7?には「イヤホン端子がなくなる」という話が出ていて、どうやらその可能性が高くなってきた今日この頃。

iPhoneがやれば早晩Androidも薄型化のために同様のことをやってくるだろうとなると、一層ニーズが高まってくるであろう「ワイヤレスヘッドフォン・イヤホン」。

すでに多くの機種が市場に出回っているが、今回ソニーが本格的なレベルの新製品を市場に投入してくる。

そこで、ソニーからの依頼により、「音のプロ」フジヤエービックが、ソニーの新型ワイヤレスヘッドホン・イヤホンを試してみました。

ソニーも含め約数十社ものヘッドフォン・イヤホンメーカーが一堂に会する国内最大級の展示イベント「ヘッドフォン祭」を主宰するフジヤエービック。

これまで千種類以上の様々なヘッドフォン・イヤホンを実際に触れて聴いてきた経験をもとに、ソニーの新型ワイヤレスヘッドフォン・イヤホン3機種をシビアにレポートします!

レポート: 石曽根 誠 (株式会社フジヤエービック 営業部 部長)

(1)Bluetoothワイヤレスヘッドフォン SONY MDR-100ABN (h.ear on Wireless)

既発売のワイヤード(有線)ヘッドフォン、MDR-100Aをベースにしたワイヤレスヘッドフォン。Bluetoothワイヤレスの他にノイズキャンセリングまで入った「全部アリ」フル装備モデルになります。

5色のポップなカラーバリエーションがあり、幅広い層に選んでもらえるカラーと、飽きのこないシンプルかつこれぞヘッドフォン!という王道のデザインなこのMDR-100系ヘッドフォンなのですが今回送られてきたのは「ボルドーピンク」。

どう見ても女子向け(汗 ですが、頑張ってレポします。

本体と同色の、おにぎり型のかわいいケースに入っています。折り畳みできるヘッドフォンは、女子のバッグにスマートに納めるためのマストアイテムといえますね。ここでもう合格ラインか?

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ワイヤード(有線)用のケーブルも同色。「色」へのこだわりが見て取れますね。

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各種操作ボタン。電源、プレーヤーの操作、NC(ノイズキャンセル)のオンオフなどが並びます。

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今回用意したハイレゾプレーヤーは、最新モデルのウォークマン、SONY NW-ZX100。

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DSD再生までカバーし、ソニーオリジナルのハイレゾワイヤレス伝送のためのBluetooth拡張規格、「LDAC」にも対応しています。

LDACは、これまでBluetooth伝送の限界が48kHz/16bit程度だったのを最大96kHz/24bitというハイレゾ相当の音データを送れるよう情報量を増やしている、という規格で、従来の約3倍のデータ転送量を持っています。

ZX100の場合デフォルトではLDACに対応していないので、次の操作が必要になります。

メインメニューの各種設定>Bluetooth設定>ワイヤレス音声品質 で「音質優先」にしておくとLDAC対応機器の場合は接続時に自動的にLDACコーデックにて伝送するようになります。

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さて、それではNW-ZX100とMDR-100ABNを接続してみましょう。

まず電源オフの状態から、MDR100ABNの電源ボタンを7秒間ずっと押したままにすると、青と赤の光が点滅しはじめます。これが相手の機器を探している状態なので、NW-ZX100も検索状態にすると、同様に検索中の機器が表示さるようになります。

これに接続すると、ご覧のようにBluetoothマークが表示され、これで接続は完了。2回目からはより楽になります。

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さっそく聴いてみましょう。

なお、NCヘッドフォンはNCオフでも音が出るようにはなっていますが、ソニーに限らずどこのメーカーのものでもNCオフでは大きくバランスが崩れ、特に低域がスカスカな状態になります。NCヘッドフォンはNCオンで常時使うのがデフォルトになりますから未使用時の充電はこまめにしておきましょう。

また、ZX100側の音質補正機能の数々はDSEE HXやイコライザークリアオーディオ、その他サウンドエフェクトは全てOFFにしてあります。

試聴用ハイレゾ音源は宇多田ヒカル「Single Collection(HDリマスター版)」から主にロック調ですがストリングスなどもふんだんに入った「COLORS(96kHz24bit FLAC)」で比較しています。

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曲が流れてくると、思わず「おおっ!」となるような、のっけからハイファイ調を感じるサウンド。

何度か流れるウインドチャイムの高音、低域まで十分に伸びて弾むシンセベース、センターにガッチリ定位しながら時折エフェクトもかかる宇多田ヒカルのヴォーカルを囲む音の渦。

いい意味でBluetoothの音を裏切るようなサウンドで、LDACの効果も出ているのではないでしょうか、実験的にLDACオフにして聴き比べてみましたが、その差は分かりますね。

非常に粒立ちの良さそうないわゆる「美音」系。NCを含めたトータルでの音作りがなされていてモニターライクではないのですが、聴いていて楽しくなるようなサウンドで鳴らします。

柔らかめのフッカリしたイヤパッドで装着感も上々。NCの効きも素晴らしく、逆に外部の音がほとんど聞こえなくなるので歩行時などは十分注意して頂きたいと思います。

なお無信号時にもNCは効くので、飛行機や電車移動時の外音遮断にも有効です。

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続いて、ワイヤード接続で比較試聴。NCはオンのままです。

ワイヤレス時の、音が壁になって迫りくるような感じ、キラキラ感は後退しますが、聴いているうちに「ああ、これがノーマルの音なんだな」と分かってくる、ソニーのヘッドフォンについてよく言われるような「モニター調」に寄ったサウンドバランスになります。

この場合は当然非圧縮のハイレゾ音源を直接そのままに楽しめるわけで、よく聴くとものすごく細かい部分の音も出てきていることが感じられます。ワイヤレスのサウンドは、いわば美音系のヘッドフォンアンプを使った音、そんな印象ですね。

ワイヤードではMDR-100A自体の基本性能の高さに加えNCによる主に低域のコントロールが入ることで、音楽に集中できるような鳴り方に変化する、こういう2面性を持ったヘッドフォンなので音楽を楽しみたい時と音楽にのめりこみたい時、という両方の性格を使い分けても面白いです。

「全部入り」だけに値段は張りますが、2つの音の違うヘッドフォンを買うと考えればお安いかも?

MDR-100ABNの〇な点

ワイヤレス、ワイヤードの両個性を持ち見た目も使い勝手も音も良く、満足できる一台。

MDR-100ABNの✕な点

ワイヤレスでもモニターライクな音を楽しめるモード切替があったりすれば最高。ちょっと高価。

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2016年5月13日  by fujiya_contents

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